YouTubeの急上昇に掲載された事はありますか?
急上昇は、エンタメ系の人気YouTuberが独占している印象が強いようですが、登録者のそこまで多くないチャンネルでも意外と載る事は可能です。
今回はYouTubeが公表している急上昇に重要な要素や、実際に掲載されているコンテンツからどのような仕組みで決まっているかを考察していきます。
本記事のポイント
- YouTubeの急上昇動画が決まる仕組みの全ては公表されていない
- 重要なのは動画公開から一定期間でのアクション
- 登録者やコメント数が急上昇ランクに影響を与える事はない
- 話題の内容でキーワード上位を狙うと、急上昇に載る可能性がある
- キーワード分析におすすめのツールは「YT Rival Finder」
- 上位表示を狙いやすいキーワードを一目で把握する事が可能
本日のポイント
YouTubeの急上昇動画とは?
YouTubeの急上昇動画は、サイドバーの「探索」から確認出来る、リアルタイムで日本国内で話題になっているコンテンツの事。
YouTubeの急上昇には約50本の動画が掲載されています。
「最新」の欄には、音楽・ゲーム・映画に属する動画も含めたものが表示されています。
例えば下記の動画は、「最新」の欄の8位に、「音楽」の2位に位置しています。
「音楽」で1位に掲載されているTWICEの動画が、「最新」の欄では8位よりも上に無いので、必ずしも2つの欄に相関がない事が分かります。
ちなみに、「最新」と他の欄(「音楽」「ゲーム」「映画」)に掲載された動画では、「最新」の欄でのランクが表示されるようになっています。
「音楽」「ゲーム」欄のみに掲載された動画では、ご覧のように表示されます。
YouTubeの急上昇動画が決まる仕組み(公表されているもの)
YouTubeの急上昇に掲載される動画が決まるアルゴリズムの全ては対外的に公表されていません。
ただYouTubeヘルプを見ると、急上昇動画が決まる上で特に重視される5つの指標が書いています。
急上昇動画では以下を含む多くの指標が考慮されます。
- 視聴回数
- 動画の視聴回数の伸びの速さ(現在話題になっているか)
- 視聴された地域(YouTube 以外のソースを含む)
- 動画の新しさ
- 同じチャンネルから最近アップロードされた他の動画と比べたパフォーマンス
これらの指標を組み合わせることで、視聴者との関連性とプラットフォーム上のコンテンツを反映しながら、YouTube のトレンドを示す動画リストが作成されます。そのため、1 日の視聴回数が最も多い動画が急上昇動画の第 1 位にならないことや、視聴回数の多い動画がそれより視聴回数が少ない動画よりも下のランキングになることがあります。
YouTubeヘルプより引用
単純に視聴回数が多い動画が急上昇の上位に載る訳ではない事は容易に想像出来ますよね。仮にそんな事があっては、人気YouTuberばかりで急上昇の欄が埋め尽くされてしまいますから。
他の要素を確かめる為に、実際に急上昇に載っているコンテンツを見てみましょう。
例えば急上昇ランク21位に掲載されている以下の将棋の動画。
動画投稿から1日経過した時点で、17万回視聴されています。
チャンネルの過去の動画を見てみると、3週間前まで遡っても再生回数が10万回を超えているものすらありません。
つまり最新の動画は、投稿から短時間で過去のコンテンツよりも高いパフォーマンスを示していますね。
「視聴された地域」という指標については、おそらく再生回数を購入した動画が急上昇に載るのを防ぐ為でしょう。
実際、再生回数を実際に購入した人がYouTubeに上げている情報によると、買った事で増加した視聴のほとんどが海外からのもので、様々な地域に分散されています。(YouTubeの再生回数を購入する事で起こる悪影響はこちらの記事で解説しています。)
視聴回数は関係ないと書かれていますが、やはり急上昇に載るには一定の再生回数は必要だと思います。
実際、1週間毎日チェックしてみて、急上昇に載っている動画の中で最も再生回数の少ないものでも12万回も視聴されていました。
YouTubeの急上昇動画が決まる仕組みを考察してみた
YouTubeの急上昇動画が決まる仕組みは、公式に幾つかの指標が大雑把に書かれているだけで、対外的に公表されていないと解説しました。
なので実際に急上昇に載っている動画の情報を元に、どのようなコンテンツが載りやすいのかを考察してみました。
以下は2021年10月12日13時時点で、急上昇に載っていた50本の動画。
50本の動画から以下の要素を抽出してみました。
- 急上昇の順位
- コメント数
- 動画投稿者のチャンネル登録者数
- 視聴回数
- 急上昇に載った動画を除く、直近20本の動画の平均視聴回数
- 視聴回数ー直近20本の動画の平均視聴回数
「視聴回数ー直近20本の動画の平均視聴回数」の数値を求めたのは、先程も紹介しましたが「同じチャンネルから最近アップロードされた他の動画と比べたパフォーマンス」が急上昇動画の選出に考慮されていると、YouTubeヘルプに載っていたからです。
上記の要素を全てExcelに入力。
(チャンネル登録者が非公開になっていたり、コメント欄がオフになっている動画が計3つあったので、それらを除いた47本の動画のデータを入力しています。)
回帰分析によって、チャンネル登録者数やコメント数などが、どれだけ急上昇の順位に影響を与えているかを調べてみました。(※回帰分析とは、統計的手法によって説明変数と被説明変数の関係を推計する分析方法の事です。)
今回、説明変数と被説明変数に設定したのはそれぞれ以下の要素です。
- 説明変数→急上昇の順位
- 被説明変数→コメント数・チャンネル登録者数・視聴回数ー直近20本の動画の平均視聴回数
分析の結果は以下の通り。
結果の見方に関する詳しい解説は省略しますが、急上昇の順位に3つの要素は影響していないという分析結果になりました。
まとめると、次の3つの事が言えます。
- 動画投稿者のチャンネル登録者数が多い程、急上昇の順位が上位に来やすい事はない
- 動画のコメント数が多い程、急上昇の順位が上位に来やすい事はない
- 普段の動画よりも多く再生されているからといって、急上昇の順位が上位に来やすい事はない
ただ今回調査した結果は、あくまでも急上昇の順位に関する話であって、そもそも急上昇に載る為には一定の基準をクリアしておく必要があると考えられます。
そこで、1週間の間に急上昇に掲載される動画を追い続けてみました。
まずは動画投稿からどのくらい経過したコンテンツが急上昇に載れるのかについて。
基本的には、動画投稿から2日間が急上昇に載る期間だと考えられます。
中には3日前に投稿された動画で急上昇に載っているものもありましたが、基本的には3日より前に投稿されたコンテンツは、急上昇の下にある「最近急上昇」の欄に表示される事が多いです。
また急上昇に載った動画の再生回数と投稿者のチャンネル登録者数に関しては、次のデータが得られました。
- 最小の登録者数:1.79万人
- 最小の再生回数:10万回
もちろん1週間程度観察しただけなので、一概には言えませんが、少なくとも登録者数1万人以上かつ動画公開から2日以内に再生回数が10万回を超えないと、急上昇に載るのは難しいのではないかと言えます。
YouTubeの急上昇動画に載るには
ではYouTubeの急上昇に狙って載るには、どのようにすれば良いのでしょうか?
何度も言いますが、YouTubeは対外的に急上昇に掲載されるアルゴリズムを全て公表している訳ではないので、当然の事ながら「これをすれば絶対に急上昇に載れる」なんて方法は存在しません。
ただYouTubeが大雑把に公表している情報や、実際に急上昇に掲載されたコンテンツから、載る可能性を高める施策はいくつかあります。
以下では動画の質を高めるとか当たり前の内容以外で、使える施策を紹介していきます。
動画の投稿される時間を視聴者に明示しておく
まず使える施策は、動画の投稿される時間を視聴者に明示しておく事です。
先程も解説しましたが、YouTubeの急上昇に掲載されるには、動画公開から一定時間での視聴回数が大切になります。つまり、動画公開から1か月後に急に注目を集めて再生回数が伸びても、急上昇に載る事はありません。
視聴者に動画が投稿される時間を明示しておく事で、公開から一定時間に再生回数が集まりやすくなります。
投稿時間を視聴者に知らせる方法は、幾つかあります。
- SNSでの投稿
- プレミア公開やライブ配信の公開予約
- 動画の投稿時間を固定する
最も一般的なのはSNSでの投稿でしょう。
動画が公開された段階でTwitter等で呟くのはほとんどのYouTuberがやっていますが、投稿する前に何時に動画が上がるのかを共有しておくのはやっている人が少ないです。
例えば、ロックバンド「THE ORAL CIGARETTES」の以下のツイート。
視聴者に動画が公開される時間を明示しています。
ツイートのコメント欄を見てみると、かなり熱量の高い反応が多く見られました。このような人は20時になってすぐに視聴するでしょう。
少し珍しい例ですが、配信者として人気のコレコレさんは、Twitterの位置情報の欄を利用して次回のYouTube Liveの日程を視聴者に明示しています。
またプレミア公開やライブ配信の公開予約を使うと、公開されるより前に登録チャンネルの「動画」欄に表示される上に、何時に公開されるかが視聴者にも知らせる事が可能。
視聴者が「リマインダーを設定」をクリックすると、ライブ配信やプレミア公開が始まったタイミングで、YouTubeから通知が届きます。
動画の投稿時間を固定してしまうのも方法の1つです。
例えば2020年の1月8日から、アニメを1話からYouTube上で公開していった「名探偵コナン」。
ご覧のように「水~日曜19:00アップ!」と視聴者に動画を投稿する時間を公表した影響もあり、何本もの動画が急上昇に載り、再生回数・登録者数共に伸びていきました。
話題の内容でキーワード上位を狙う
次が話題の内容でキーワード上位を狙う施策です。
例えばチャンネル登録者数1.79万人で、急上昇ランク30位に掲載されたこちらの動画。
投稿者の直近の他の動画を見ても、1つだけ圧倒的に再生されている事が分かります。
急上昇に載った動画は、ショパンコンクールに関する動画。
「ショパンコンクール2021 2次予選」で検索すると、最上位に表示されます。
ショパンコンクールはかなり注目度の高いコンクールで、GoogleTrendを見ると開催期間中の検索数が一気に増えている事が分かります。
YouTubeヘルプに書かれた、急上昇動画のランキングの決定方法を見てみます。
急上昇動画のランキングの決定方法
YouTube では魅力的な新しい動画が毎日いくつも公開されていますが、[急上昇] タブに表示される動画の数は限られています。[急上昇] タブでは次のような動画が上位に表示されます。
- 幅広い視聴者にとって魅力的である
- 誤解を招く動画やクリックベイトまがい、または扇情的なサムネイルやタイトルでない
- YouTube や世界のトレンドを取り上げている
- クリエイターの多様性を表している
- 驚きや目新しさがある
YouTubeヘルプより引用
先程の動画は、一気に検索数が増えたワードで検索した時の上位に表示された上に、「YouTube や世界のトレンドを取り上げている」という要素を満たした事で急上昇に表示されたと思われます。
つまり世間的な注目度が高い、話題の内容で検索上位を狙う事で、急上昇に掲載される可能性は十分にあるでしょう。
YouTubeの急上昇動画に掲載される為にキーワード分析をしよう
YouTubeの急上昇動画に掲載される上で使える施策を紹介しました。
今回は2つの施策を紹介しましたが、特に後で解説した「話題の内容でキーワードを狙う」という方法は、狙って急上昇に載せれる可能性があるのでおすすめです。
そんなキーワードの分析は当然ながら自分で行う事も可能ですが、とにかく時間がかかるので非効率的。
ツールを使って効率的に進めるのが効果的です。
最もおすすめのツールが「YT Rival Finder」。
例えば先程の例で紹介した「ショパンコンクール2021」でリサーチしてみます。
ご覧のように「ショパンコンクール2021」に関連した148件のキーワードの情報が表示されます。
月間のインプレッション数と関連動画本数が表示されるので、YouTube内でのキーワード毎の動画の需要と供給を一覧で把握する事が可能。
トレンドのキーワードの情報をリサーチする事で、急上昇に掲載される可能性を上げる事が出来るでしょう。
また見て分かる通り、Google検索上での動画の順位も表示されています。
実際にGoogleで検索してみると、表示通り3位に動画欄が設けられていますね。
上記画像を見ると、動画欄の1番上にきているコンテンツは19時間前に投稿されたものなので、急上昇に掲載される期間(2日以内)でも、表示される可能性がある事が分かります。
GoogleはシェアNo.1の検索エンジンなので、グーグルの動画欄に表示されると再生回数は大きく向上します。結果的に急上昇に掲載される可能性が高くなったり、チャンネルの成長に繋がったりと、様々な恩恵を得られるでしょう。
【まとめ】キーワード分析をして、急上昇に狙って載ろう
YouTubeの急上昇動画が決まる仕組みを、対外的に発表されている情報と実際に掲載されているコンテンツから考察してきました。
急上昇に載ると大きな再生回数やチャンネル登録者数の向上が期待出来ます。
キーになる要素は幾つかありますが、特に動画公開から一定時間での再生回数等の反応が大切なので、いかに投稿から一定時間でコンテンツを見て貰えるかが特に重要。
SNSやYouTubeの公開予約を使って、視聴者に動画が公開される時間を明示するのは誰でも出来る事なので、すぐにでも取り組みましょう。
また急上昇に狙って載せる上でおすすめの施策が「話題の内容でキーワード上位を狙う事」。
「YT Rival Finder」を利用して効率的にキーワード分析を行い、戦略的に急上昇掲載を狙ってみましょう。